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 食品加工会社「寿食品」(相模原市中央区)=破産手続き中=による学校給食の産地偽装事件で、神奈川県警は13日、社長の鹿島敏裕(63)、弟で取締役の茂裕(55)=ともに同区=の両容疑者ら同社の関係者5人を不正競争防止法違反(誤認惹起(じゃっき))容疑で逮捕し、発表した。全員が容疑を認めているという。

 県警によると、敏裕、茂裕の両容疑者は「食肉が高騰する中で会社を存続し、利益を出すためだった」という趣旨の供述をし、「10年以上前から外国産を混ぜることが常態化していた」「悪いこととわかっていたがやっていた」などと説明しているという。

 県警は両容疑者が偽装を指示し、食肉加工部署の責任者が外国産と国産の混合比率などを決め、加工場の工場長が従業員に偽装を指示したとみている。

 逮捕容疑は昨年5~10月、産地証明書や納入品のラベルなどに「産地は関東地方」と表示して国産を装い、同9~10月、県内の相模原、川崎、厚木と、東京都の多摩、稲城、府中の計6市の学校給食センターなど13カ所に、外国産を含む豚肉と鶏肉計約1770キロを納品したというもの。メキシコ、スペイン、カナダ、オランダ、タイ、ブラジルの6カ国産の肉を混入させており、計18回の納品のうち16回は外国産のみで、2回は外国産に国産肉を7対3の割合で混ぜていたとみられるという。

 同社は2012~23年、約30の自治体に給食用の食材を納入していたという。

 昨年10月、川崎市教育委員会の抜き打ち検査で偽装が発覚。翌月に県警が会社と加工場などを家宅捜索していた。(手代木慶、村上潤治)

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