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会期中、毎日開かれる高松港でのこえび隊の朝礼=2025年5月1日、高松市、瀬戸内こえびネットワーク提供
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 香川と岡山の離島を主な舞台とした現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭を支えてきたボランティアサポーター「こえび隊」の奮闘記「こえび隊、跳ねる!瀬戸内国際芸術祭外伝」が出版された。地域とのかかわりを大切に歩んできたこえび隊の15年は、様々な「奇跡」を島に生んだ。6回目として開催中の瀬戸芸の裏ガイドブックともいえそうだ。

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 こえび隊は瀬戸芸初開催の前年の2009年に誕生。作品の舞台となる空き家の清掃、アーティストの制作の手伝い、会期中の会場での受け付け、終了後の片付けなどが主な役割だ。12年から事務局はNPO法人化した。

 「島の人に会ったらあいさつする」「船ではマナーを守る」「出たごみは必ず持ち帰る」――。こえび隊が最初に作ったルールは、やがて公式ガイドブックにも「島での七つの心得」の一部として載るようになった。

 瀬戸芸は3年に1度。こえび隊の活動は「瀬戸芸をやっていない千日間、いかに地域に深く入っていけるか」という課題から始まった。運動会や文化祭、祭りなどに参加し、住民と交流を深めてきた。

10年続く「島のお誕生会」

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