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候補者の訴えを聞く有権者=2024年4月16日午前9時34分、長崎県大村市、天野光一撮影
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 自民党の裏金事件が発覚して初の国政選挙が16日、告示された。補欠選挙がある衆院3選挙区のうち、長崎3区と東京15区は、事件による逆風下、自民が候補を立てられない事態に陥った。「自民不在」の選挙区では、自民関係者や支援者が、戸惑いの中、告示を迎えた。

 選挙区に含まれる長崎県対馬市。70代の自営業女性は、裏金問題で辞職した谷川弥一氏(82)=自民を離党=に長く投票してきた。「よく離島のことをしてくれていたので信頼していたが、見事に裏切られた。悲しすぎる」と話す。ただ、対馬への航路の運賃を安くするなど離島政策を重視しており、「自民は実績を残している。自民じゃないと頑張ってもらえなかった」と党の支持は続けるという。

 選挙区の大票田・大村市。JR大村駅近くにあるビルには以前、谷川氏の事務所が置かれていたが、今は空っぽだ。同市の自営業女性(58)は「谷川さんは長崎の恥さらし。選挙なんてせずに欠員のままでいい」と手厳しい。投票には行くつもりだが、「推しの政党が出ていないので、まだ決めていない」と悩む。

 自民が県内の国政選挙で候補者を擁立しないのは結党以来、初めてだ。16日昼過ぎ、自民のベテラン県議は「家でテレビをみるくらいしか、やることがないんだよ」とやるせない様子で語った。「50年近く選挙に関わってきたが、こんなことは初めて。ふがいないとしか言いようがない」

「選挙が終わるまで春休みと思うしかない」

 選挙期間中、外出はなるべく…

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