Smiley face
写真・図版
避難指示が解除された赤崎小学校でキャッチボールを楽しむ山口夢翔さん=2025年3月7日午後0時32分、岩手県大船渡市赤崎町山口、三浦英之撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 岩手県大船渡市の山林火災で、市は7日、午前10時に避難指示を一部解除したと発表した。対象は415世帯957人で、これまでの避難指示の約2割に相当する。避難指示は延焼拡大に伴い、広がっていたが、解除されたのは発生から10日目で初めて。

 また、県は7日、発生翌日に綾里地区で見つかった遺体は、大船渡市三陸町綾里(りょうり)の柴田吉郎さん(90)と発表した。県警が体の特徴などから特定したという。

 政府も同日、大船渡市の山林火災を激甚災害に指定する見通しと発表した。

 市によると、避難指示の解除は、新たな延焼拡大の恐れがないことや、地上からの消火活動に支障をきたさない地域であること、ライフラインに支障がないことなどを考慮し、判断に至った。内訳は、赤崎町の宿40人、後ノ入364人、森っこ107人、大洞185人、生形4人、山口257人。

 市は前日から、同市赤崎町の大船渡湾寄りの地域と三陸町の甫嶺地域で避難指示の解除を検討していた。今後も状況をみながら解除の判断をしていくという。

 消防によると、7日はヘリで上空から火のくすぶりがないかを調べ、見つかれば地上から消火にあたった。延焼の拡大や白煙は確認されなかったものの、6カ所で火のくすぶりが認められたといい、市の消防幹部は「火勢のコントロールはできていると認識しているが、いまだ延焼の恐れがあり、鎮圧の見通しは立っていない」。鎮圧は、火のくすぶりの状況や気象条件などから総合的に判断するという。

 記者会見で渕上清市長は「(解除は)まさに待ち望んでいたこと。今日をスタートに、再生に向けて歩みを進めていきたい」としつつ、「うちに戻った方、あるいは避難所での生活が長引かざるを得ない方、そういった環境の違いを埋めていくのは我々の仕事。避難されている方をきめ細かく支えていきたい」と述べた。

 避難指示が一部で解除された結果、残る避難指示の対象は三陸町綾里の全域など1481世帯3639人。午前6時時点の焼失面積は前日から変わらず約2900ヘクタールで、鎮圧には至っていない。

     ◇

 岩手県大船渡市の山林火災は7日朝、赤崎町内の六つの地域の避難指示が解除された。2月26日の火災発生以来、避難指示が解除されるのは初めて。避難所や親類宅から帰宅した住民たちは、久しぶりの自宅にほっとした表情を見せた。

「これからは思いっきり野球をやるぞぉ」

 「やった、小学校が残ってい…

共有