8月15日の終戦記念日が近づくと、戦争や平和について子どもが知る機会が増えます。ショッキングな映像や写真を見た子どもがトラウマ(精神的外傷)を抱えてしまう恐れもあるなかで、大人は何を、どんな風に伝えたらよいのでしょうか。日本プレイセラピー協会代表理事で臨床心理士の本田涼子さんに話を聞きました。
「悪いことが起きているのは自分のせい」と考える傾向
――子どもに戦争について教える際、年齢による認知の発達の違いをどう考えたらいいですか。
個人差が大きいのですが、一般的に未就学や小学校低学年くらいの子どもは、現実を大人のように正確に把握することはできません。戦争や災害の映像をTVで見たとき、同じ映像の繰り返しでも、それがいま起きていることだと思ったり、その場所が遠いのか近いのかわからず、自分の生活が今にもおびやかされると感じたりします。
また、認知的にはまだ因果関係の正確な把握が難しく、「悪いことが起きているのは自分のせいだ」と考える傾向があります。
ただ、だからといって幼い子どもが全く何もわかっていないわけではありません。むしろ、大人の怒りや不安、恐怖はとても敏感に感じ取っています。
ここ数年、ウクライナやパレスチナ自治区ガザなどでの戦闘に関する報道が以前より増えています。大人の不安やストレスも高まっていて、子どもたちもそれを感じているのではないでしょうか。
真実をある程度伝えることは、安心感につながります。
「平和」の概念を理解できるのは小3、4年
「お友達とケンカするように…