Smiley face

 外国人神父からの性暴力を訴えてカトリック神言修道会(名古屋市)に損害賠償を求める訴訟を起こしている東京都在住の看護師、田中時枝さん(64)が2日、カトリック教会の次期教皇を決める「コンクラーベ」を前に東京都内の日本外国特派員協会で会見した。

 神父が所属していた修道会には使用責任があると主張した上で、「(修道会に)きちんと対応してもらっていない」と語り、修道会出身の菊地功枢機卿がコンクラーベへの投票権を持つことに対して「絶望的な気持ちだ」と語った。

写真・図版
神言修道会に所属していた外国人神父から性暴力を受けたと語る看護師の田中時枝さん(中央)。代理人の秋田一恵弁護士(左)は、同修道会が出身母体の菊地功枢機卿が教皇選挙で投票する資格があるのかと疑問を呈した=2025年5月2日午後2時57分、東京都千代田区、大久保真紀撮影

 菊地枢機卿は2017年から現在まで、カトリック東京大司教区の長である大司教を務めている。

 この日の会見で、田中さんの代理人の秋田一恵弁護士は、田中さんが18年から神父の名前を出して修道会側に対応を求め続けてきたことや、東京教区内の教会に派遣されていたこの神父が、田中さんの事案調査のために派遣停止になったことなどから、東京大司教の菊地枢機卿が田中さんの訴えの内容を「知らない、関係ないとは言えない立場だ」と主張。「このケースに対して考えを示し、対処するべきだ」と話した。

 バチカンに意見書を送付し、「菊地枢機卿にコンクラーベで一票を投じる資格があるのか」と疑問を呈したことも明らかにした。

 修道会の荒田啓示事務局長は取材に対して、「いまは裁判中だ。裁判の内容についてはコメントは控える。枢機卿に投票資格があるのかと問うのは、はっきりとした判決が出てからのことではないか」と話した。

「聖職停止」受けた神父が再来日していた

 原告側の訴えによると、田中…

共有