さわやかな風のような空気をまとうOSK日本歌劇団(大阪市)の翼和希さん。朝ドラ「ブギウギ」の梅丸少女歌劇団・橘(たちばな)アオイ役で注目を集め、ドラマの役と同じトップスターに昨秋、就きました。その舞台パワーをつくっている「みっつ」は何? 橘先輩、教えて下さい!
翼和希さんの「みっつ」
①食べること(肉、米、アメちゃん) ②睡眠 ③「OSK日本歌劇団 翼和希」という名前
《なにより健康管理が大事という》
ありがたいことに、どんな精神状態でも、食べて、眠れるんです。強みやなと。一歩家を出ると、フル回転してエネルギーを使い切っちゃうので、ふとんに入ると即眠ってしまう。ストンと寝て、パッと目覚めて動き出す。朝型人間です。
公演中、朝ご飯は白米と肉を食べると決めています。だいたい茶わん1杯ですが、おなかがすいている時は3杯。たまに丼で、朝から牛丼の時も。肉は赤身を焼いて、塩こしょうでシンプルに。筋肉疲労に効くな~という気がします。
劇場に入ってしまうと、ご飯は食べません。食べるとぼ~っとしちゃって、芝居に集中しにくいようで。水分をとって、ずっとアメをなめています。舞台袖にも置いていて、常になめて唾液(だえき)が出るように。劇場内での主食はアメちゃんかな。かばんにも入っていますよ。大阪のおばちゃんまっしぐらです。
《のびやかな歌声が魅力。のどのケアに気をつかう》
朝起きると、吸入器で蒸気を吸ってのどを潤します。夜はぬれマスクをして寝る。乾燥が敵なので年中マスクが欠かせません。歌は、伝えたいメッセージや感情を音楽にのせてお届けできるツール。歌う表情も含めて、耳でも目でも表現を伝えられて楽しいです。
歌といえば「桜咲く国」は特別で、昭和5(1930)年から大切に歌い続けてきた劇団テーマソング。アスファルト、シャンデリアといった歌詞もかわいくて。お芝居で残酷な死に方をしても悪人役でも、最後はにこにこして、桜パラソルを回して歌う。お客様には幸せな気持ちで帰っていただける。OSKは年中桜が咲いている劇団なんです。
《劇団は紆余(うよ)曲折を経て、103年の歴史を刻んできた》
松竹楽劇部で始まり、改称を重ねて1970年にOSK日本歌劇団となりました。「オーエスケーにっぽんかげきだん」と発音します。
名前が変わったのは、いろいろな方に支えられてきた証しです。母体になって下さった方々、ファンやスタッフのみなさん、数え切れない方々のお力添えで歴史はつながってきた。その名前にいま私たちは支えてもらっているのだと誇りに思います。
「ブギウギ」でそんな劇団の歩んできた道を追体験できました。ドラマでは「桃色争議」という名で、実際にあった労働争議も描かれて。橘アオイは劇団をよくしたいと立ち上がる。一心同体の気持ちで演じましたし、こんな劇団愛にあふれる人になりたいなと。
《この世界に飛び込んだ理由を、こう語る》
男役という存在にあこがれた…