Re:Ron連載「みたらし加奈の味方でありたい」第11回
今年は終戦から79年。私が子どものころには毎年のように放送されていた終戦特番も減ってきた。戦争体験者の高齢化が進み、いずれ当事者の語りを直接聞ける機会はなくなってしまう。
ニュースをつければ、パレスチナにおける虐殺の報道が流れる。それだけではない。平和の祭典であるオリンピック・パラリンピックが開催されているその最中でも、軍拡や侵略、植民地支配や同様の状況は続いている。
そんな世界で、いまを生きる私たちが「戦争」と向き合うことは必要不可欠なのだと感じる。
「戦争」というと、皆さんはなにを想像するだろう。
日本は79年間、戦争をしていない国だ。平和記念資料館などに足を運んだり、歴史の授業で断片的な情報を学んだりすることはできる。ただ、他国で起きている戦争や侵略を、報道やSNSなどで知ることがあっても、自分の生活に落とし込んで想像することは難しいような気がするのだ。だって私たちは、あらゆる戦争から守られてきたはずだから。
憲法や平和教育や、戦争における被害の歴史の語りによって「戦争はいけないことだ」と体に染み付いているはず、だから。
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「味方でありたい」は今回、特別バージョンで、みたらしさんが戦争についてつづります。通常は読者の皆様からの悩みやメッセージに答えるかたちでみたらしさんが考えます。LGBTQ+の当事者、支援者の方からの相談をお待ちしています。(相談は記事で紹介する場合があります)
まずはじめに、私は防衛や外交、歴史や国際情勢における専門家ではない。しかし、この国に住まう一市民として、これからの話をつづっていきたいと思う。
多くの人たちと同じように、私は義務教育のなかで「歴史」を学んできた。それは、教科書に載っている「歴史」だ。そして高校生になり、SNSからいろんな情報を得るようになった。
青年期を過ごす私は、そのな…