総務省が8月に発表した2023年度のふるさと納税受け入れ額で2年連続全国1位となった宮崎県都城市。業者の産地偽装問題の影響で前年より2億円余り減らしながらも193億8400万円の寄付を得た。市は、体制を強化して制度の積極活用をさらに進める方針だ。
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「素直にありがたい。引き続きPRを推進していく」。池田宜永市長は8月の会見で全国1位の受け止めを語り、子育てや移住支援の財源としてふるさと納税に引き続き力を注いでいく考えを示した。
都城市では14年から、ふるさと納税を使って市の知名度アップをはかってきた。肉用牛・豚・鶏の合計産出額が日本一、最大手の焼酎メーカーもある強みを生かして返礼品にも「肉と焼酎」を強く打ち出し、ポータルサイトの広告なども活用した。
作戦が奏功して寄付受け入れ額は10年連続でトップ10入り。直近9年で5度目の全国一になった。市によると、寄付者の多くが関東や関西在住で、リピーターが多い。市の担当者は「都会に税が集まることの解消という制度の趣旨にも沿っている」ととらえる。
そうした中で昨年秋、返礼品の鶏肉を受注した熊本県の事業者が、ブラジル産やタイ産なのに「宮崎県産」と表示していたことが発覚。ふるさと納税サイトを運営する楽天が受け付けを一時停止する事態に至った。
その後、市は返礼品の発送を担う事業者に対するルールを厳格化し、事業者が法令にのっとった商品の取り扱いをしているか調査も実施。対象の約150事業者のうち、8月末までに57事業者への立ち入り調査を済ませた。
今年度からは部に相当する「ふるさと納税局」を設置。11人だった担当職員を28人に増やし、体制を強化している。
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