Smiley face
写真・図版
伊藤紗恵さん(左)と「CとH」共同創業者の橋本勝太さん=2025年1月23日午後3時6分、石川県珠洲市飯田町、上田真由美撮影

 能登半島地震からの復興に向けたキーワードにもなっている、都市と地方の両方に拠点を置く「二地域居住」。震災前から石川県珠洲市で取り組んできた伊藤紗恵さん(41)は「震災を経て、地方の重要性を改めて強く感じている」と話す。

 珠洲市飯田町のかつて保険会社だった建物。黒い能登瓦の玄関を入ると、フロアには木製の大きなテーブルが置かれ、パソコンでオンライン会議をする人や、おしゃべりしている人がいた。会員になれば24時間利用できるコワーキングスペース「OKNO to Bridge(奥能登ブリッジ)」だ。現在会員は70余りの人や団体で、気ままに出入りし、仕事をしたり交流を深めたりしている。

 一角には「工房」もあり、近くに住む女性がガラスアクセサリーをつくっていた。運営する伊藤さんは「被災地や2次避難中の人が、能登に残る、戻る、関わり続ける、という選択肢を広げたかった」と話す。

写真・図版
OKNO to Bridge内にあるアクセサリー工房。伊藤紗恵さん(右)が作業を見守った=2025年1月23日午後2時51分、石川県珠洲市飯田町、上田真由美撮影

 奥能登ブリッジの拠点は珠洲のほか、約100キロ離れた金沢市にもあり、アクセサリー工房も両方の拠点内にある。「職人」として採用された6人の女性は、出来高制で好きな時間にどちらでも働ける。

移住、その半年後に

 こうした取り組みの背景には…

共有