頼れる身寄りのいない高齢者の金銭管理や入院・入所の手続き、葬儀や納骨といった「死後事務」などを支援するための国の新制度を厚生労働省が検討している。来年度、社会福祉法を改正し、全国で広く支援を提供することをめざす。
背景にあるのは、高齢化や単身の高齢者の増加だ。病院や施設に入る際の手続き、亡くなった後の葬儀や遺品整理など、これまで家族らが担ってきた役割を果たす人がおらず、誰が担うかが課題になっている。
こうしたサービスを提供する民間の高齢者等終身サポート事業者は増えているが、契約時に100万円単位の預かり金が必要なことも多く、トラブルも後を絶たない。頼れる人がいない高齢者は今後も増えるとみられているが、十分な収入や資産がない人は契約が難しく、厚労省は広く支援を受けられる仕組みが必要と判断した。
厚労省の検討会が5月に公表した中間取りまとめでは、身寄りのない高齢者の金銭管理や福祉サービスの利用などの日常生活支援、入院や入所の手続き、死後事務の支援を提供する事業を、社会福祉法の「第二種社会福祉事業」に位置づけるとされた。
現在、二種事業の一つに福祉…