警察官を装った詐欺事件の「受け子」を、待ち構えていた住民が現行犯逮捕――。兵庫県姫路市で11日、キャッシュカードを受け取りに高齢者の自宅を訪れた容疑者の男(27)を、近所の人らが協力して取り押さえる事件があった。
県警姫路署によると、姫路市に住む自営業の男性(75)は11日夕、妻に頼まれて近所の一人暮らしの女性(80)宅を見に行くことになった。女性に何度電話をしても、話し中が続いていたという。
訪ねると、女性は電話の受話器を手に「今、警察と電話をしている」。帰って帰って、とジェスチャーで伝えてきた。
「警察とこんなに長く電話をするなんておかしい」と不審に思った男性は、玄関を出たもののその周辺に待機。しばらくすると、1人の男がスマートフォンを手に、あたりを見渡しながら女性宅に入っていった。
男性が声をかけると、男は逃走。呼び寄せていた男性の息子(47)が約200メートル追いかけて窃盗未遂容疑で現行犯逮捕し、警察に引き渡した。
女性のもとには警察官を名乗る人物から「あなたのキャッシュカードが犯罪に使われた。確認のため警察官を派遣する」と電話があったという。
男は、女性のキャッシュカードをだまし取りに来たとみられる。容疑を認め、キャッシュカードを入れた封筒とトランプの入った封筒をすり替えてくるようアルバイト先に指示された、と説明しているという。