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自作の短歌作品を手に取る佐藤実穂さん。一首を五節に分けてプラスチック板に書き込み、天井からつるした。周囲の壁面も自身のインスタレーション=東京都文京区、佐々波幸子撮影
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 東日本大震災が起きた当時は4歳だった福島県生まれの高校生が、短歌を通して「福島」と向き合っている。東京電力福島第一原発事故から14年。「今の福島を見てほしい」との願いを込めて詠んだという。

 〈ふるさとを想い剝(む)く桃あかつきの空に希望は光るだろうか〉

 同県田村市在住の佐藤実穂さん(18)が、福島名産の桃の品種「あかつき」に暁の空を重ねて詠んだ一首だ。

 佐藤さんは昨年7月末から約8カ月間、中高生向けのプログラム「福島学カレッジ・表現コース」(東京大学大学院情報学環・開沼博研究室主催)に参加。自身を含め県内外の中高生10人と同県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を拠点に活動してきた。締めくくりとなる修了制作では、生まれ育った福島を自身の視点でとらえ、11首の短歌を核としたインスタレーション作品に仕上げた。

 〈カタカナが帯びる冷たさトランスフォームしてフクシマは刃物になった〉

 インターネットで「フクシマ…

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