Smiley face
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奈良市議会の9月定例会で一般質問をするへずまりゅう議員=2025年9月12日午後4時7分、奈良市二条大路南1丁目、向井光真撮影

 元「迷惑系ユーチューバー」で、7月の奈良市議選で初当選したへずまりゅう氏が、同市議会の9月定例会で、仲川げん市長に「どのツラ下げて市長やっているんですか」などと怒鳴る一幕があった。この言動を受け、大西淳文議長は18日、同氏に対して「発言は不適切」と口頭で注意した。

 発言があったのは、今月12日の市議会一般質問。へずまりゅう氏は、奈良公園のシカへの暴力に対する罰則強化を訴え、仲川市長に見解を求めた。答弁を受け、「市長、あなたね、どのツラ下げて市長やっているんですか。16年、市長をやって市民の思いも届かなくなったんですか」などと声を荒らげて批判。さらに、議員や市幹部に対し「(市議の任期の)4年間、(自身のSNSフォロワーの)100万人に見られていると思ってください」とした。

 これらの発言について、市議会の全会派の幹事長や議長らは16日、幹事長会を開き、「議員は(議会などで)無礼の言葉を使用してはならない」とする地方自治法132条などに抵触する恐れがあり、「不適切な言葉」だと判断した。

 大西議長らが18日昼、へずまりゅう氏と面会し、発言に対する注意をして、礼節を重んじて議員活動をするよう促した。

 へずまりゅう氏は面会後、報道陣に対し、X(旧ツイッター)を通じて仲川市長に謝罪したことを明かし、「思ったことを発言として言えればよかったが、力不足で、一発の恫喝(どうかつ)で済ませてしまった。奈良市議会のイメージを下げることをしてしまい、申し訳ございませんと議長に伝えた」と述べた。

 一方、仲川市長は12日の議会後、報道陣に「シカを守りたいという純粋な思いはしっかりと受け止めたい。ただ、議員に品位が求められている。シカに対する暴力はいけないと言いながら、言葉の暴力で自分の主張を押し通すということであれば良くない」と述べた。

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