Smiley face
写真・図版
大阪大の糸川智博さんらが、量子コンピューターに必要な「魔法状態」の研究に用いた図。パズルゲームのような素養が重要だったという=糸川さんらの論文から

 「魔法状態」を操ったり、パズルのように数式が消えたり……ゲーム用語のようで、実はどれも、量子コンピューターの研究者がまじめに取り組んでいるテーマだ。とっつきにくそうな量子計算の世界に触れてもらおうと、名曲をDJのように操りながら体験できる展示も東京に登場した。

 量子計算は、ミクロの世界で働く「量子力学」を使った計算技術だ。超伝導の回路や、原子などからなる「量子ビット」と呼ばれる仕組みが、計算の鍵を握る。

 量子を観測するまでその状態が確定しない「重ね合わせ」や、影響し合う2粒子の一方を観測すると、どんなに離れてももう一方の状態が同時に確定する「量子もつれ」などの現象を計算に使う。

 量子ビットの数が多いほど計…

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