Trump Cracks Down on Bird Deaths, but Only From Wind Turbines
アメリカのトランプ政権の内務長官は8月上旬、危険な風力発電のタービンからハクトウワシを法の及ぶかぎり保護する必要があると言明した。
しかし4カ月前、トランプ大統領は「ハクトウワシ・イヌワシ保護法」が石油・ガスの生産業者に重い負担を負わせているとして、同法を骨抜きにすることを求めた。
トランプ政権当局者たちは両者の姿勢に矛盾はないと主張し、大統領はあらゆる形態のエネルギー開発に関する法律を一貫して執行していると述べた。
「トランプ大統領は、アメリカの偉大さの歴史的象徴であるハクトウワシを保護するためにハクトウワシ・イヌワシ保護法の執行を続ける一方、規制によって生じる負担を軽減することで、アメリカのエネルギー開発を束縛から解放するためのエネルギー開発につながる幅広い措置を講じてきた」と、ホワイトハウス報道官のテイラー・ロジャーズ氏は声明で述べた。
しかし自然保護論者たちの見立ては異なる。トランプ政権がアメリカを象徴する鳥を大切に扱うのは、風力発電産業を攻撃するための口実にすぎないと説明。大統領は自身がスコットランドに所有するゴルフ場の一つから見える風力発電施設の建設を阻止するための法廷闘争で敗れて以来、風力発電産業に対して公然と目の敵にしてきたと指摘する。(訳注:トランプ氏は洋上風力発電事業のためにゴルフ場の景観が損なわれるとして、スコットランド自治政府と争ったが、英最高裁で2015年に敗訴した)
これはトランプ政権が数カ月にわたってエネルギー政策に採用してきた二重基準を浮き彫りにするものでもある。トランプ氏はアメリカがエネルギーの「緊急事態」に直面していると宣言しながら、風力や太陽光の電源開発を抑えつける数十の措置を講じてきた。さらにトランプ政権は、石炭、石油、ガスの開発を促進するため、ワシや渡り鳥の保護を弱めるようないくつかの措置を提案している。
「ワシに関するすべての懸念は今、風力発電だけに向けられている」とコロラド大学ボルダー校のサラ・クラコフ教授(環境法)は述べた。
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
ハクトウワシの死は本当に風力発電に関係するものが多いのでしょうか。NYTは関係団体に取材し、死因データを挙げています。また、トランプ政権と石油、ガス会社との関係を指摘しています。
再生可能エネルギーのロビー…