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ダッカで2024年3月、裁判所による保釈決定を受け、記者団と話すノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏=AP
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 バングラデシュでハシナ政権が一気に崩壊したことを受け、同国のシャハブディン大統領は5日、真っ先に事態収拾に乗り出した軍トップのザマン陸軍参謀長や、海軍、空軍のトップ、野党幹部、デモを主導した学生団体の幹部らと協議した。

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 地元紙デイリー・スターによると、ただちに暫定政権を発足させることで合意し、大統領は6日、ハシナ氏の与党主導の議会を解散した。ハシナ氏の政敵で収監中だった最大野党バングラデシュ民族主義党(BNP)のカレダ・ジア党首や、デモ参加中に拘束された学生らの釈放も始めた。

 いち早くハシナ氏の退陣を発表した軍は、暫定政権づくりでも主導権を担う構えだが、反発も表面化している。

 大統領らとの協議後、学生団体は6日未明にSNSで声明を出し、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏(84)が「最高顧問」として率いる暫定政権を「発足させることを決めた」と宣言した。「我々が提案した政府以外は受け入れない」「軍事政権、軍が支える政権、ファシスト政権は受け入れない」と主張。軍主導の動きを強く牽制(けんせい)した。

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