マクロン仏大統領は6日、欧州連合(EU)の特別首脳会議後に記者会見を開き、ロシアの脅威を念頭にフランスの核抑止力を欧州全体に広げる構想について、欧州の有志国と技術者レベルでの協議を始めると明かした。欧州諸国の多くはフランスの「核の傘」の拡大に慎重な立場だったが、一部の国からは肯定的な反応も出始めている。
マクロン氏は会見で、会議に集まった複数の首脳が、フランスの核抑止力を欧州に広げる可能性について話し合うために自らを訪ねてきたことを明らかにした。今後は関心を持つ有志国との間で技術者の交流から始め、首脳レベルで協議する。6月末までに新たな協力関係を築く可能性を見極めるという。
マクロン氏は、核保有国の英国がEUを離脱した後の2020年2月に核抑止の新たな基本政策を発表した際、「フランスの死活的利益は欧州の次元に広がっている」とし、フランスの核抑止力の拡大を持論としてきた。この日の会見では、核保有国のロシアがウクライナを侵略したことで「欧州が自らの核抑止力を自問するのは正当だ」と述べた。
会議に集まったEU加盟国の…