大阪市旭区の千林商店街に、1軒の書店がオープンした。雑誌の路上販売を担ってもらう形で、ホームレスの人たちを支援してきた「ビッグイシュー日本」が運営する。書店の接客に立つのも、雑誌の販売者たち。背景には路上販売の厳しい事情があり、新たな支援の形として始めたという。
京阪千林駅を降り、商店街のアーケードに入ってすぐ。両脇の壁に書棚が並ぶ25平方メートルほどの店は「希望をつむぐ本屋さん」と名付けられた。
複数の「棚主」が月額2500円で、縦・横・奥行きが各30センチほどの棚のスペースを借り、自ら選んだ本に値段をつけて置く。1冊が売れたら100円がビッグイシューの収入になる仕組みだ。
酷暑の課題
プレオープンの期間を経て正式な開店日となった4日、店頭で接客していたのは入島輝夫さん(62)。亡くなった父の清掃会社を引き継いで働いていたが、うまくいかずに40代半ばで、ホームレスになった。
建設仕事などで転々とする日…