能登半島地震の被災地で建物の解体作業が本格化するのを前に、建設業界などがボランティアや作業員らの安全対策に乗り出している。東日本大震災の現場でも作業中の事故は少なくなく、志を持って能登半島に向かう人たちを守ろうと実践的な講習会を無料で開く。
- ボランティア「控えて」→「足りない」 GW、能登地震被災地に続々
重機リース大手「カナモト」の金沢営業所(金沢市湊)に4月28日、ヘルメットをかぶった金沢大と金沢工大の学生8人が集まった。3トン未満の小型重機の操作資格を得るための講習会。建設重機メーカー「加藤製作所」(東京都)の指導員が構造から操作方法までを教えた。
講習で徹底されたのが、声を出しての安全確認の励行だ。操作前に指さしで周囲の安全を確認し、エンジンをかける際には必ず警笛を鳴らすよう呼びかけた。
同社は被災地に汚泥や汚水を吸引する大型重機を派遣するなど災害復旧に力を入れている。受講料は通常1万8500円だが、今回は無料。その理由について、同社の前田英智執行役員は「被災地で不足し、重宝されるのは重機のオペレーター。1人でも多くの要員を育てたかった」と話す。さらに「重機を安定的に操作することはもちろん、安全の意識を強く持ってもらうことで、けが人を1人でも減らしたい思いがあった」と強調した。
留学生も「何か役に立てれば」
講習会には定員(8人)に対…