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 ノーベル生理学・医学賞の受賞理由にも論文が引用されていた名古屋大の鈴木洋教授(分子腫瘍(しゅよう)学)は「受賞はもうないのではと思われていた」と話す。研究をよく知る立場から、驚きを語ってもらった。

 ビクター・アンブロスさんには、私の論文を査読してもらったことも、彼の論文を査読したこともある。マイクロRNAの世界では始祖のような人だが、気さくで、物事を突き詰めて考える昔気質の研究者だ。最近まで精力的に研究されていたので、受賞決定は喜んでいるだろう。

写真・図版
ノーベル生理学・医学賞を受賞するビクター・アンブロス氏(左)とゲイリー・ラブカン氏の似顔絵=ノーベル財団資料から

 ただ、業界的には、受賞はもうないのではと思われていた。

 マイクロRNAの分野では、その現象であるRNA干渉の発見で、2006年に2人にノーベル賞が出ている。今回の2人は、その大元の発見者だが、この時に受賞者に入らなかったので、取り損なったと思われていた。

 実は先週も、学部生向けの講…

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