第2次大戦後のモンゴルでの日本人抑留の実態を追い続けるジャーナリストがいる。元読売新聞記者の井手裕彦さん(70)。近年も、抑留死亡者の身元特定につながる資料を入手している。慰霊碑への供花も含む天皇皇后両陛下のモンゴル訪問に、「置き去りにされてきたモンゴル抑留問題に光が当たってほしい」と語る。
- 【そもそも解説】モンゴル抑留とは 埋もれた歴史、犠牲者数なお諸説:朝日新聞
戦後、旧ソ連によって抑留された日本人のうち約1万4千人がモンゴルに移送された。栄養失調などで死亡したのは1600人とも2000人ともいわれる。
井手さんは大阪社会部で調査報道を担当。祖父が朝鮮総督府の官僚だったことから「祖父は終戦時、旧満州官僚のように抑留されていたかもしれない」との問題意識を持ち、2013年以降、旧ソ連によるシベリア抑留問題に取り組んだ。
そのなかでモンゴルにも日本…