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バチカンのサンピエトロ広場で2024年10月23日、一般謁見(えっけん)に出席したフランシスコ教皇=ロイター
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 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(88)が21日、死去した。ローマ教皇庁(バチカン)が発表した。3月に肺炎の入院治療をいったん終えて退院後、療養を続けていた。12年に及ぶ在位中、貧しい人や弱者に寄り添い、世界の平和を訴えた。

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 バチカンの発表によると、教皇は21日午前7時35分に息を引き取った。バチカンは発表の中で「彼は私たちに、最も貧しく、最も疎外された人々を助けながら、忠実さや勇気、普遍的な愛をもって生きるよう教えてくれた」と惜しんだ。

 フランシスコ教皇の本名はホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。1936年12月17日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで生まれた。首都近郊の神学校で学び、イエズス会に加入。神学教師を務めた後、98年にブエノスアイレス大司教に就任した。前任のベネディクト16世が2013年に健康問題で約600年ぶりに生前退位したため、南米出身者として初めて教皇に選ばれた。

 2019年には来日し、長崎・広島の被爆地を訪れて核兵器廃絶を訴えたほか、東京で東日本大震災の被災者と面会するなどした。

 フランシスコ教皇は2月14日に気管支炎の治療を受けるためローマ市内の病院に入院。当初は投薬治療を受けて、良好な経過をたどっているとされていたが、18日に両方の肺に肺炎を発症してから容体が悪化した。

 自伝によると、教皇は20歳だった57年11月にインフルエンザの悪化で発症した感染症のため、右肺の一部を摘出しており、若い頃から健康問題に向き合ってきた。近年は手術や入退院を繰り返していたが、昨年9月には東南アジアと南太平洋の計4カ国を就任以来最も長い12日間の日程で訪問。世界の平和や他宗教との対話を求めて、晩年まで精力的に活動を続けた。

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