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【動画】万博に行く?行かない?大阪の街で聞いてみた=佐藤慈子撮影

 大阪・関西万博の開幕まで1カ月に迫った。万博に行ってみたいかどうか、読者とSNSを通じてつながる「#ニュース4U」で意見を募った。

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「絶対に行く」「反対だから行かない」。万博に行ってみたいかどうか、大阪の街でも様々な声があった=佐藤慈子撮影

 回答した432人のうち「行きたい」は3割弱の122人にとどまった。「めったにない機会」を理由に挙げた東京都のアルバイト男性(30代)は「様々な技術が展示されることで、世の中が良くなるアイデアが生まれるはず」と期待した。三重県の自営業女性(60代)は万博開催の意義に疑問を持ちつつ、「行かないで文句を言うのはお門違い。せっかくのチャンスなので行ってみたい」と答えた。

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大阪・関西万博についてのアンケート

 関西在住者にとっては、地元開催も動機になっているようだ。大阪府の家事手伝い女性(60代)は「大阪人として誇らしい。すごく楽しみ」。1985年のつくば科学万博や90年の「国際花と緑の博覧会」(花博)を訪れたという大阪府の会社員男性(40代)は「ひたすら感動した記憶しかない」とし、今回も子どもと行く予定だという。

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大阪・関西万博に行きたい理由

 一方、「行きたくない」と答えたのは310人。その理由で最も多かったのは「興味がない」だ。「何を見せたいのか、情報発信が少なすぎる」と茨城県に住む契約職員男性(60代)。宮城県の公務員男性(60代)は、「空飛ぶクルマ」の商用運航が人を乗せないデモ飛行に変更となったことに触れ、「楽しみが減った」と記した。

 「開催自体に反対」という意見も目立った。福井県のパート女性(50代)は「ネットで海外の情報は得られる。開催の意味が分からない」。大阪府の会社員女性(40代)は「災害の復興や増大する医療費に回してほしかった」と公費投入の是非を問う。閉会後のカジノを含む統合型リゾート(IR)計画に異議を唱えた人もいた。

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 会場の工事現場でメタンガスへの引火とみられる爆発火災が昨年に起きたことから、安全面に不安を感じる人も。大阪府のアルバイト女性(40代)は「道路が渋滞して、緊急車両がたどり着けない状況にならないか」と指摘した。

 「行きたい」「行きたくない」どちらを選択した人にも、「どのような万博ならより多くの人が行きたいと思うか」と聞くと、多くの意見が寄せられた。

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大阪・関西万博に行きたくない理由

 目立ったのは予約手続きの簡素化だ。前売り券を購入したという東京都の看護師女性(60代)は「面倒だから行かない人がいると思う。簡単にして敷居を低くしないと」。「万博の中身が分からない」として「行かない」と答えた埼玉県の会社員女性(30代)は「世界各国を旅した気分になれるような、五感を使った体験ができれば、行く価値がある」と答えた。

 前売り入場券の販売枚数は806万枚(5日時点)で、万博協会が掲げた目標(1400万枚)の6割弱にとどまる。パビリオンなどの情報発信がまだ少ない、といった指摘もあるが協会は「公式サイトでの販売に勢いを感じている」と、開幕が近づけばさらに機運が盛り上がると期待する。予約不要の紙チケットや当日券の導入などを発表し、より広い世代が来やすくなるための対策を進めている。

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