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東京都世田谷区が10月17日の会見で示した住民票の写しのイメージ

 東京都世田谷区は17日、11月1日から同性カップルの住民票の続き柄に、事実婚と同じ「夫(未届)」や「妻(未届)」と記載できるようにすると発表した。同性カップルは、異性の事実婚と同等の社会保障などの権利を得られていない。区は、住民票の記載を同じにすることで権利の向上を後押ししたい考えだ。

 区内10カ所の窓口で受け付ける。「未届」の表記ができるのは、区がLGBTQのカップルなどを公的に認定する「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓」をした区民。住民票にその旨追記する。

 住民基本台帳法を所管する総務省は同性カップルが法律上、異性の事実婚と同じ扱いを受けていないことから、「未届」の表記は「社会保障の窓口などで実務上の支障をきたす」などと問題視している。この日の会見で保坂展人(のぶと)区長は、追記により「(異性の事実婚カップルと)誤認や混同はしない」と説明した。

 2015年に「宣誓制度」を導入した際は、「携帯電話などで家族割が適用されるようなことがあった」と指摘。国の法令や企業の福利厚生などの分野で「(同性カップルの)権利保障に動いていく契機にしてほしい」と話した。

 区によると「未届」の記載をめぐっては、すでに全国9自治体で導入されている。都内では中野区も11月から採り入れる方針を明らかにしている。(中村英一郎)

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