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日本被団協の定期総会後の記者会見で話をする箕牧智之代表委員=2025年6月19日、東京都千代田区、中野晃撮影

 天皇、皇后両陛下は19日、広島市の平和記念公園を訪れて原爆死没者慰霊碑に供花し、被爆者らと懇談した。平和記念資料館では、昨年12月にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の歩みを伝えるパネル展を見学した。そのメンバーとの面会は、今回の広島訪問では設定されなかった。

 日本被団協代表委員で、広島県被団協理事長の箕牧智之さん(83)は18日と19日、東京都内で開かれた日本被団協の定期総会に出席していた。

 終了後の記者会見で「戦後憲法によって天皇は国民の象徴的な身となられたが、戦時中は兵隊さんが『天皇陛下万歳』と言って亡くなっていった。広島では平和(記念)公園や資料館を見て、被爆者の証言を聞いて被爆の実相に触れていただければありがたい」と述べた。さらに、「私たち被爆者は、天皇陛下がどんなコメントをされるか、関心を持ってテレビ・新聞を見たいと思っています」とも語った。

 日本被団協代表理事の田中聡司さん(81)は「天皇陛下の訪問にあたって、被爆者運動の先頭に立ってきた団体には説明はなく、(両陛下が)何を見られるのか、どんな人と会うのか、事前にはわからなかった」と広島市に苦言を述べた。「戦後80年を経ても原爆被害者、戦争被害者が等しく国から補償をされていない現実がある。お迎えする側もしっかり伝えないといけない」

 また、「身元不明の遺骨約7…

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