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学校の二酸化炭素排出量を調べる授業=2025年5月30日、東京都調布市のドルトン東京学園、香取啓介撮影

 自分たちの通う学校は、どのくらいの温室効果ガスを出しているのだろう。中高生が、ごみの重さを量り、生徒や教職員の通学手段などを調べて、二酸化炭素(CO2)排出量を可視化した。どうしたら減らせるのか、解決策も考えた。

 東京都調布市の中高一貫校「ドルトン東京学園」。毎週金曜日の午後にある探究型学習で5~6月、「学校全体のCO2排出量『見える化』プロジェクト」が行われた。排出量の計測を手がけるクラウドサービスを提供するスタートアップ「アスエネ」(東京都港区)が担当し、中学1年~高校1年の生徒17人が参加した。

 生徒たちはまず、温暖化が進むとどういう影響があるかをまとめた「2100年の天気予報」を見たり、原因となるCO2がどんな活動から出ているかを学んだりした。

 日本政府は50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を掲げる。排出を減らすには、どこからどれぐらい出ているのか、算定することが第一歩だ。

 企業では、自分たちが化石燃料を燃やすなどして直接排出する「スコープ1」、自分たちが使う電気や熱などのエネルギーを作るときに排出される「スコープ2」、購入した原材料の生産時や輸送時から、作った製品を使って捨てるまでのサプライチェーン(供給網)から出る排出を「スコープ3」と区別している。

 一定規模以上の企業には、国への排出量の報告が義務づけられている。最近はサプライチェーン全体での排出ゼロを掲げる企業も増えており、取引する中小企業も対策を迫られる。

 では、どうやって算定するのか。アスエネの山本圭子さんは「基本は活動量と排出量原単位の掛け合わせです」と説明する。

 活動量は、使った電気の量…

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