自民党の二階俊博元幹事長が会長を務める超党派の日中友好議員連盟は28日、北京の人民大会堂で中国共産党序列3位の趙楽際(チャオローチー)・全国人民代表大会常務委員長と会談した。議員交流を長くリードしてきた二階氏に党最高指導部メンバーが応じたが、自民党が総裁選を控えていることもあり、山積する日中間の課題の解決は見通せない。
議連の同行者によると、会談は約40分間続いた。二階氏は中国軍の情報収集機が26日に長崎県五島市の男女群島沖で領空を侵犯した問題について「遺憾の意」を表明し、再発防止を求めた。趙氏は前日の中国外務省の会見内容と同様に、「日本の領空を侵犯する意図はない」としたうえで、「当局間で適切に意思疎通がなされることを期待する」と話したという。
- 「いかなる国の領空を侵犯する意図もない」中国側、沈静化図る狙いか
さらに二階氏は新型コロナ禍前に中国が認めていた日本人のビザ免除の再開を要望。趙氏は、「日本の各界からの要望は留意し、重視している」と応じた。会談後取材に応じた二階氏は「前向きな発言だ」と述べ、今後も積極的に働きかける方針を示した。
東京電力福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸についても意見を交わした。アステラス製薬の中国法人幹部だった日本人社員が中国当局に起訴された件は話題に上らなかったという。会談後、二階氏は「有意義な意見交換を行うことができた」と語った。
中国側の受け止めは…
長く日中のパイプ役を果たし…