製造業の現場は人手不足が著しい。男性頼みだった職場を女性にも担ってもらえたら……。そんな取り組みを三重県伊賀市の工場が始めて3年、女性の働きやすい職場づくりを機に、新たな効果も生まれている。
伊賀市ゆめが丘7丁目の産業・住宅団地「ゆめぽりす伊賀」にあるミルボン(本社・東京)の工場。美容室向けのヘアケア・化粧品メーカーの全国唯一の基幹生産拠点として約220人が働く。
業界はコロナ禍でも影響を受けにくく、生産量が増加傾向にある中、2022年ごろから離職に伴い人手不足が顕著になった。製造業全体が人手不足の中、ハローワークで募ってもすぐには埋められない。
着目したのが女性の担い手だった。
調合部門は、納品・品質管理を経た原材料を混ぜ合わせる基本的な業務。数十種類にのぼる原材料を200キロ~2トンの専用タンクに投入する。
だが、原材料の移動には筋力が必要で、以前は全員が男性だった。同業他社でも調合部門は男性がほぼ担うとされる。
荷物→小分け、脚立→ステップ台 整えた職場環境
女性第1号として22年5月…