茨木市は19日、市の指定管理を受けた障害者生活支援施設「ともしび園」で、介護給付費1億6754万円の不正請求があったと発表した。市は今後、指定管理を受けた「とんぼ福祉会」に対して、加算金を含む約2億3千万円の返還を求める。
市によると、とんぼ福祉会は2019年4月~24年3月、サービス管理責任者ではない職員が利用者の生活介護計画を作成し、介護給付費を不正に受給したという。障害者総合支援法は、サービス管理責任者が生活介護計画を作成すると定めている。サービス管理責任者以外が作成した場合は、介護給付費を減額して請求する必要がある。
今年2月、ともしび園の利用者の男性が入浴支援を受けた際に重度の全身やけどを負った。市が原因を調査する中で今回の不正請求の疑いが浮上し、事実関係を調べていた。
市は18日、やけどの事案と不正請求を理由に、とんぼ福祉会の指定管理者を25年3月31日付で取り消すと決めた。
とんぼ福祉会の担当者は朝日新聞の取材に、「生活介護計画の件は市の過去の監査で認められていると認識していた。(指定管理の)取り消し処分には納得できず、撤回を求めていく」と話した。(田中祐也)