Smiley face

 日雇い労働者の街・大阪市西成区の釜ケ崎を拠点にしている「紙芝居劇むすび」が、間もなく結成20年を迎える。これまでの公演は511回を数える。当初のメンバーは元ホームレスの年配男性ら。しゃべることが好きで、集まる口実が紙芝居劇だった。

 1人1役。手作りのお面をつけ、感情を込めてセリフを読み上げる。ときには歌ったり踊ったりウクレレを弾いたり。紙芝居と演劇が合わさったスタイルだ。

 もともと喫茶店だった場に毎週木曜に集まり、コーヒーやランチを楽しみ、おしゃべりが続く。そしてときどき練習する。結成20年の節目となる今年度は4月29日に初公演を控えている。大阪市阿倍野区の阿倍王子神社の境内で午後0時40分から予定している。

写真・図版
「紙芝居劇むすび」の新たな活動拠点に立つマネジャーの石橋友美さん。もともと喫茶店だった場所だ=2025年4月24日、大阪市西成区花園北2丁目、市原研吾撮影

 結成当初からマネジャーの石橋友美さん(50)は「おしゃべり8割、練習2割くらいかな。ゆるやかだから活動が長続きしてきた」と受け止めている。

 釜ケ崎の路上生活者は2000年ごろがピークだったとされる。大阪市職員らは当時、生活保護を受給し、マンションで暮らしてもらうよう盛んに促していた。

 マンションで落ち着いて生活できるようになったが、友だちも楽しみもない。

 誰かと話せる居場所がほしい…

共有