北海道の最北のすぐそばに浮かぶ利尻島で半世紀以上にわたって愛されてきた乳酸飲料がある。
最果て自家製「ミルピス」――どんな飲み物なのか、島を訪ねた。
東京都八王子市とほぼ同じ182平方キロメートルの利尻島は、利尻昆布やウニ、多様な高山植物など漁業と観光業で成り立つ町だ。
島の中心には、「利尻富士」とも呼ばれる日本百名山の利尻山(1721メートル)が存在感を放つ。島を一周する道路沿いには、「ミルピス」の大きな看板が目に入る。
店の冷蔵庫にはミルピス(350円)のほかにも、ヤマブドウや利尻昆布、行者ニンニクなどの自家製ジュースも並ぶ。支払い箱に代金を入れ、商品を取っていくスタイルだ。
ミルピス商店の森原八千代さん(84)は商品の製造など1人で店を切り盛りする。
1965年からミルピスの前…