国内では北海道と青森県にしか天然では分布していないエゾノウワミズザクラが、南限の青森県板柳町で満開を迎えた。北海道で自生していたものの種が鳥などに運ばれて青森県内にまで分布したと考えられている。今後、北海道でも満開を迎える。
板柳町滝井を流れる岩木川の支流・十川(とがわ)の河川敷に大規模な群生地があり、房状の白い花が満開を迎えた。保護活動に取り組む青森大学付属総合研究所客員研究員の奈良岡隆樹さん(59)は「ソメイヨシノが終わって1週間後くらいに満開になる。青森県の財産として花を楽しんでいただき、保護の意識も高めてほしい」と話した。
エゾノウワミズザクラは、北海道だけに分布するとされていたが、1977年につがる市木造地区の岩木川河川敷で発見され、本州初記録となった。青森県レッドデータブック(2020年版)ではAランク(最重要希少野生生物)とされている。