待望の復活だ。人形浄瑠璃文楽の通し狂言「義経千本桜」が、大阪・国立文楽劇場で上演される。劇場によると、本公演で通して上演するのは16年ぶりという。舞台ではしゃべらないベテラン2人が、見せ場だらけの名作の醍醐(だいご)味を語った。
源平合戦に敗れた平家の残党たちと、源義経を巡る物語は、進むにつれて哀感が増幅する。第2部の三段目「すしやの段」では、鶴澤清介が切場(きりば)の三味線を弾く。
前半には、娘お里が奉公人の弥助への思いなど心中を吐露したり、お里の兄である「いがみの権太」が弥助の正体を知って追っかけたりといった山場がある。後半の観客が泣く場面まで、1時間半はかかる。「長丁場をダレさせんと、勤めさせていただくのが至難の業」と清介。
入門して3年目の朝日座で、いまも語りぐさの丁々発止に出くわした。竹澤弥七の三味線が、豊竹十九大夫(とくたゆう)を引っ張り回す。異様な盛り上がりに、楽屋の連中までキャーキャー騒いで見つめた。盆が回り、戻ってきた十九大夫は髪を振り乱し、弥七も顔を赤らめていた。
あの高揚感がなぜ起きたか研…