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キリンホールディングスが発売した減塩サポート食器「エレキソルト」のカップ(左)とスプーン=2025年9月9日午後1時38分、東京都港区、大村美香撮影

 電気の力で食べ物の塩味を強めるスプーンを昨年発表したキリンホールディングスが9日、第2弾としてカップを発売した。スプーンもリニューアルして同時発売。食事を減塩した際の味の物足りなさを補うことができる「減塩サポート食器」と位置づけ、来年には、アジア圏での販売もめざす。

 ブランド名は「エレキソルト」。カップ内側の底と持ち手に電極が取り付けられていて、電源を入れて持ち手を握り、カップに口をつけると、汁物を通じて微弱な電流が流れる。

 電流の働きで、汁の中のナトリウムイオンが舌の近くに引き寄せられ、塩味を強く感じさせるほか、うまみも強める効果があるという。

 キリンの実験では、食塩を30%減らした食品の塩味を約1.5倍に増強する効果が確認されたという。

 スプーンは発売した昨年5月から12月までに2650本を販売、減塩の必要がある人やその家族、友人の購入が大半を占めた。

 カップの開発とスプーンのリニューアルには、美容機器メーカーの「ヤーマン」が協力。美顔器などの開発で培ってきた同社の小型化や防水、電気設計技術を応用して、スプーンの先端を小さくし、自然な動作でより安定して電流が流れる仕様にした。食洗機も使える。

 体感には個人差があり、料理によっても感じ方が異なる場合がある。また、ペースメーカーなどの医用電気機器を装着している人や未成年などには使用制限がある。

 税込み価格はカップが2万6950円、スプーンが2万4750円。公式オンラインストア(https://electricsalt.shop.kirin.co.jp/)で販売し、11月からはハンズやビックカメラなどでの店頭販売も予定している。

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