2500グラム未満で生まれた低出生体重児にとって、市販のベビー服はブカブカ……。我が子のそんな姿を目の当たりにした母親が、小さく生まれた赤ちゃんにも、ぴったりの服を作ろうと各地で取り組んでいる。
どれもブカブカの写真 「デザインは二の次」
広島市の中須賀舞さん(35)は、妊娠8カ月の時、次女望ちゃん(3)が、染色体異常の一つである18トリソミーと診断された。2021年4月、38週で生まれた望ちゃんは1780グラムで、すぐにNICU(新生児集中治療室)に運ばれた。
望ちゃんの退院準備。百貨店で一番小さいサイズが45センチの肌着だったが、望ちゃんには大きすぎて、服のほとんどが余っていた。舞さんは「服は選ぶというよりも探すという感じで、デザインは二の次だった」。
生後半年が過ぎたころ。これまでの写真を見返していたら、望ちゃんが着ている服はどれもブカブカ。それまでは、手術はどうするか、延命処置が必要になった場合にどうするかといった望ちゃんの命にかかわる選択が迫られる日々で、気づく余裕もなかった。
中須賀さんは、服飾の専門学…