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 4月21日付朝日歌壇・朝日俳壇面のコラム「短歌時評」をお届けします。歌人の小島なおさんが、大河ドラマ「光る君へ」に登場する紫式部と清少納言が詠んだ短歌を取り上げ、2人の文学的、人間的な気質に迫ります。

  • 【4/26開催】記者サロン「木下龍也さん×AI短歌 あなたのために詠む短歌」
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 大河ドラマ「光る君へ」には若き日の紫式部や清少納言が登場し、私たちにとっては教科書のなかの人物である彼女たちの生き生きとした感情の揺れや才知の一端を窺(うかが)い知れるようでおもしろい。

 『源氏物語』と『枕草子』はあまりにも有名だが、物語や随筆の書き手としてすぐれた二人は、はたしてどんな短歌を詠んだのだろう。百人一首に採られているそれぞれの短歌を見てみたい。

 めぐりあひて見しやそれともわかぬま に雲がくれにし夜半の月かな 紫式部

 歌意は「久しぶりに会って『…

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