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「日本の保育士配置基準を世界水準に」に掲載されている座談会に参加した保育士と保護者=ひとなる書房提供
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 「子どもたちにもう1人保育士を!」を合言葉に、保育士の配置を増やすべきだと訴えた保育士や保護者たちが愛知県にいる。草の根の運動は全国から共感を集め、今春、国が戦後初めて4、5歳児クラスの配置基準を改定した。その軌跡が一冊の本になった。

 県内ではコロナ禍以降、国の基準に疑問を抱いた保育士と保護者たちが実行委員会を結成。保育士らへのアンケートを足がかりに、寄せられた保育現場の窮状をイラストや4コマ漫画で表現し、SNSで発信した。共感の輪は徐々に広がり、全国組織にまで発展した。

 国会でもアンケートの内容が取り上げられるなどし、実行委は与野党の議員にも面会。政府は2024年4月、保育士1人がみる4、5歳児の人数を30人から25人に改めた。基準の改定は76年ぶりだ。

 本には「『参加』のハードルを下げる」「感動は熱いうちにみんなで共有」など、運動を前に進める鍵となった「10の流儀」や、参加した保育士や保護者たちの声、事務局メンバーによる裏話などが収められている。

 運動の呼びかけ人の一人、社会福祉法人熱田福祉会の平松知子理事長は「ほかの分野で社会に声を上げたいという人の力にもなれたら」と話す。

 タイトルには、さらなる改善への願いを込めた。書籍「日本の保育士配置基準を世界水準に」(ひとなる書房)はA5判、128ページ。税込み1540円。子どもたちにもう1人保育士を!実行委員会編著。(伊藤舞虹)

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