日本維新の会は18日、憲法改正の提言をとりまとめた。戦力の不保持と交戦権の否認を定めた9条2項を削除し、集団的自衛権の行使を全面容認する内容で、「国防軍」の保持も明記した。
維新は「21世紀の国防構想と憲法改正」と題した提言を発表した。中国や北朝鮮、ロシアの脅威増大や台湾有事の可能性などを挙げ、安全保障環境が厳しさを増していると指摘。現下の国際情勢を踏まえた日本の防衛体制の転換が必要だと訴えた。
そのうえで「集団的自衛権を全面的に行使可能とするためには、時代遅れとなった9条2項の削除が不可欠」と主張。「専守防衛」から「積極防衛」への転換を訴えた。
また、国防軍の保持、国防軍を構成する軍人の地位を法律で定めること、文民統制の確保、軍事裁判所の設置を憲法に明記するとした。
9条2項の削除や国防軍の明記は、自民党が野党時代の2012年にまとめた改憲草案とも重なる。藤田文武共同代表は記者会見で自民党総裁選に触れ、「(候補者は)それぞれ、(改憲についての)考えと見識を国民に見せてほしい」と述べた。