教員志願者が全国的に減るなか、優れた人材を確保しようと、千葉県と千葉市は今年度から、新規採用者が借りている奨学金の返還を全額補助する事業を始めた。県内外から問い合わせは多く、新卒の志願者数の減少に一定の歯止め効果は見られた一方で、長時間労働や「定額働かせ放題」とも言われる給与のしくみが改善されない限り、抜本的な解決策にはならないとの指摘もある。(マハール有仁州)
- 【連載】まなviva!(学び場)
「いくら補助されますか」「自分は対象になりますか」
千葉県の教職員課には、奨学金の返還全額補助の周知を始めた3月下旬から、問い合わせの電話が相次いだ。やりとりに要する時間は1人当たり数十分。電話回線は2本しかない。採用試験の出願締め切りだった5月10日が近づくにつれて電話は増え、大型連休中も職員3人ほどで対応したが、1日約70件に急増。急きょ締め切りを13日まで延長した。
小学校の採用倍率、1.4倍に低迷
県内の公立学校教員採用試験…