来日中のインドのジャイシャンカル外相が29日、日本記者クラブで記者会見した。日系企業のインド進出数が伸び悩む状況について、現地のビジネス環境の改善に対する日本側の理解が追いついていないことが根底にあるとし、インドへの理解を「アップデート」するよう求めた。
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「知日派」と評されるジャイシャンカル氏は同日、都内であった日米豪印4カ国の戦略対話「QUAD(クアッド)」の外相会合に出席。会合後の会見では、経済や観光分野で結びつきを強めることに意欲を見せつつ、日本側の「歩み寄り」も必要だとの認識を示した。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、在インド日系企業数は2018年に1400社を超えて以降、伸び悩んでいる。ジャイシャンカル氏は「私たち(インド)側の欠点によるものか、皆さん(日本)側の知識不足によるものか、見極める必要がある」と呼びかけた。インド側にも「欠点はある」と認めつつ、モディ政権はその解消を目指し、空港や高速道路網の整備をはじめ、ビジネス環境の改善に取り組んできたと説明した。
その上で、国内総生産の規模が世界5位となり、経済成長を続けるインドへの早期進出が、日本企業に大きな利益を生むと主張。インドが「歴史的に、日本に対して常に、非常に前向きな見方をしてきた」とも言い、インドに進出すれば「日本企業にはとても温かい歓迎が待っていると思う」と話した。
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