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 今年の最低賃金改定の議論が11日、厚生労働省の審議会で始まった。物価高騰が続く中、北海道大の安部由起子教授(労働経済学)に今年度の議論のポイントや、最低賃金をめぐって朝日新聞が実施した全国知事アンケートについて、知事の意識や地方の実情などについて話を聞いた。

  • 最低賃金の水準、知事の審議の関与への考え… 47人の知事の全回答

――今年の地域別最低賃金をめぐる審議のポイントは何でしょうか。

 「なんと言っても物価高。コメの高騰で物価高は昨年を上回る水準だ。春闘の賃上げ率は連合集計で5・25%と前年を上回った。最低賃金の引き上げ率が5%に届かないとなると、低賃金労働者の賃上げが物価高に追いつかないことになる」

 「トランプ関税をめぐる不透明感から輸出企業の支払い能力に不安はあるが、物価高への対応の必要性がこれを上回るとみている」

――昨年は徳島県知事が地方の審議会に出席して大幅引き上げを求めましたが、こうした動きは今年広がりそうですか。

 「朝日新聞の知事アンケートをみると、同種の行動を取ろうと考える知事はあまりおらず、動きが広がるとは思えない。一部のアクティブな知事は以前から行動したり発信したりしてきたが、全体として47人の知事がどう考えているかは全く分かってこなかったので、大変意義深い調査だ」

――自身の都道府県の最低賃金…

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