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A-stories「タブーなき買収」プロローグ
  • 【取材記者が語る】「同意なき買収」の時代、セブンも渦中 今は「起爆剤」【解説人語】

 かつて「敵対的買収」と呼ばれ、長くタブー視されてきた企業買収が増えている。

 相手は、アクティビスト(物言う株主)でもグリーンメーラー(乗っ取り屋)でもない。誰でも知っている大企業や、友好関係にあると思っていた取引先、あるいは見も知らない外国資本かもしれない。

 「引き続き真摯(しんし)な協議に応じる用意がある」。セブン&アイ・ホールディングス(HD)は9日、買収提案をしてきたカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールに対し、再び条件を提示されれば検討する考えを示した。

 セブン&アイが協議に応じる姿勢を見せる背景にあるとみられるのが、経済産業省が昨年8月末に出した「企業買収における行動指針」だ。そこには買収提案を受けたときに、取締役会はどう対応するべきかが記されている。「真摯な買収提案」に対しては「真摯な検討」をすることが基本だ、と。

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セブン―イレブンの店の前に掲げられたセブン&アイ・ホールディングスの看板

 指針による大転換――。買収提案者からきちんとした経営プランと十分な価格を示されれば、企業は無視することはできなくなった。セブン&アイも指針に沿った対応をしているとみる関係者は少なくない。

 国内に目を向けると、すでにいくつかの企業で、こうした「同意なき買収」の動きが相次いでいる。第一生命ホールディングス(HD)やプリンター大手のブラザー工業、中堅物流会社のAZ―COM丸和HD……。

 突き動かしているのは待った…

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