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近江時計眼鏡宝飾専門学校の染矢講師(右)と生徒=高橋敬太氏撮影
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 ロレックスなどの高級機械式腕時計が人気を呼ぶ中、修理やメンテナンスを担当する時計師の需要が高まっている。機械式時計は、故障していなくても5年に1回程度は部品の洗浄や油の交換などのために分解して点検する「オーバーホール」が必要だからだ。だが、身につけるのが難しい高度な技術でもあり、志望者の数は伸びていないという。業界の持続的な発展のためには不可欠な時計師を育成しようと、奮闘する学校を訪れた。

 JR湖西線の大津京駅から徒歩15分、大津市にある近江時計眼鏡宝飾専門学校は近江神宮の付属施設だ。同神宮では天智天皇が「時の神様」として奉られており、生徒たちはその敷地内の校舎で学ぶ。神宮の境内にはロレックスから寄贈された古代火時計や、オメガから贈られた水時計があるほか、高級時計が展示されて時計館もある。

 学校は3年制で、1年生でクロック(置き時計)の修理、2年生で腕時計の修理、3年生になると古い腕時計や複雑な機構の修理、部品づくりなどを学ぶ。講師は、昨年、国が卓越した技能を持つ技術者として表彰する「現代の名工」に選出された染矢泰輔さん(39)らが務める。

 各学年の生徒たちは、様々な年齢や経験の持ち主たち。3年の岸田瑛仁(あきひと)さん(21)は父の勧めで進学し、今月下旬には「技能五輪の全国大会出場を控えている」。同じく3年の西岡英里さん(28)は大卒後に時計修理会社に就職したが、「学び直したいと決意して、腕のいい知人たちが卒業した近江に入った」と話す。

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