埼玉県八潮市で1月末に起きた大規模な道路陥没事故をきっかけに、上下水道の老朽化問題が改めて注目されている。メーカー大手クボタの北尾裕一社長は朝日新聞のインタビューに対し、更新作業の効率化や費用負担への国民の理解の必要性を訴えた。
――上下水道の老朽化問題に改めて関心が集まっています。
「八潮市の事故はコンクリート製の下水道管で、我々がつくっている水道用の鉄管とは違いますが、老朽化という意味では同じです。どちらも大体が高度経済成長期に整備が進みました」
「水道管は法定耐用年数である40年を過ぎたものが全国に2割以上あり、漏水事故も年間2万件ほど起きているのが実態です。下水道も総延長の7%にあたる約3万キロが50年の耐用年数を過ぎており、これが20年後には約20万キロ、全体の4割になると言われています。これからも事故が増えることが懸念されます」
――古くなった水道管の更新がなかなか進まないのはなぜですか。
「電気やガスの料金は、燃料…