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若い女性の「やせ」が深刻化している(本文とは関係ありません)

 本格的な夏に向けて、ダイエットの文字をSNSなどで目にすることが増えた。その裏で、深刻化している問題もある。「女性のやせすぎ」だ。とくに若い世代に深刻で、女性の低体重・低栄養が原因となる健康障害を「新たな疾患」として位置づけることをめざすなど、専門学会も対策に本腰を入れ始めた。

 「やせのカテゴリーに分類される人が増えてきている」「やせましょうというメッセージが、やせすぎて困る人に誤って伝わってしまうと、逆に健康障害を招き、大きな問題をもたらすことになる」

 厚生労働省内で4月に開かれた、日本肥満学会による記者会見。横手幸太郎理事長(千葉大学長)はそう切り出した。

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女性の低体重や低栄養の問題点について説明する日本肥満学会のワーキンググループのメンバー=東京都内

 日本人の20代女性の2割前後が低体重(BMI18・5未満)で、先進国のなかでも、とくに多いという。低体重や低栄養は、骨量の低下、月経周期異常など、女性の健康にかかわるさまざまな問題と関連している。

 筋肉量や身体活動が低下し、糖尿病の発症リスクとしても知られている。摂食障害や貧血などにもつながる。

 不妊や、生まれてくる赤ちゃんの低体重などとの関連もある。低体重で生まれてきた赤ちゃんは、その後の生活習慣病などのリスクが高くなるとの報告があり、次世代にまたがる健康問題として認識され始めているという。

 学会は、こうした病態を新た…

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