来春から共学化する盛岡白百合学園中高に関心が高まっている。7月19日にあった高校の学校見学会には昨年比3倍の約400人が参加した。4割は男性生徒だった。スーパー特進コースや各種奨学金を新設するなど、共学化に合わせ学校改革を打ち出している。
改革の目玉として創立133年の同校はスーパー特進、特進、進学アクティブ各コースを新設。東大や東北大など難関国公立大や難関私立大をめざすスーパー特進コースは、大手進学塾出身の講師陣を中心としたプロジェクトチームも徹底サポートする。長期休み中の特訓講座なども予定しているという。
見学会で、浅沼千明校長は「たくさんのクラブに男子を受け入れる準備をしている。県内随一の指定校推薦枠も持っている。検討されている高校無償化が実施されると県立学校と同じ土俵になり、受験生の選択肢も今以上に広がっていくと思う」と話した。
クラブ活動の見学会もあり、新設される男子野球部には30人が参加した。監督には大リーグ、ドジャースの佐々木朗希投手を大船渡高校時代に指導した国保陽平教諭が就く。強豪のハンドボール部にも10人以上の男子生徒が集まった。
来春以降も募集定員は現在の中学80人、高校240人を維持する。菅原浩教頭は「女子の見学希望者も増えている。手厚い指導など私学のよさをアピールしていきたい」と話した。
見学会に参加した盛岡市の男子生徒は「ハンドボールを続けたくて見に来た。やっぱり中学とはレベルが違う。選択肢の一つになった」。野球部を見学した盛岡市の生徒は「指導者にひかれて参加した。これからのチームなので白百合でやってみたい」と語った。
岩手を中心に進学塾を展開するM進の鎌田康誠常務執行役員は「模試で白百合を志望する生徒が増えている。共学化で選択肢が増えたのは受験生にとってプラス。白百合の入試問題をこれまで以上に研究し、志望者には指導していきたい」と話した。
盛岡白百合は98年春の高校入学者が初めて定員を割り込んだ。2005年春に高校の募集定員を300人から240人に削減。05年はわずかに定員を上回ったが、それ以降は定員割れが続き、昨年6月、全国にある白百合系列の7校で初めて共学化の方針を決めた。