見た目やつけ心地が求められる義眼。依頼者の声を耳に傾け、丁寧で繊細な作業に向き合う日本義眼研究所の水島奈央子さん(41)に、義眼製作に込める思いを聞きました。
一つ一つ異なる形や色合い
分厚いコンタクトレンズのような皿状で、アクリル樹脂からつくられた義眼。表面に細かな傷や凹凸がないか、ルーペをのぞきながら指でなぞる。ヤスリや専用の機械で磨きをかけ、本物そっくりのつややかな目に仕上げていく。
義眼はオーダーメイドが基本だ。厚さや形が少しずつ異なるフィッティング用の義眼をはめてもらい、その人に合うように加工し、それをもとに石膏(せっこう)で義眼の型を取る。黒目となる円形のプラスチックを自然な視線に見える位置に固定し、白目となる樹脂を入れる。
子どもの白目は青みがかっているが、大人になると黄色みが増す。白目の絶妙な色合いは、緑や青などさまざまな着色液をガラス棒で垂らしてつくり出す。毛細血管は毛糸の細い繊維で表現し、最後に磨き上げる。
幼少期から身近だった義眼
日本義眼研究所で義眼製作を…