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 100日弱にわたる日本と米国の関税交渉で、日本政府が最もこだわったのが自動車関税の引き下げだった。

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米国に出発するため羽田空港に到着した赤沢亮正経済再生相(左)=2025年4月30日、羽田空港、多鹿ちなみ撮影

 4月30日。羽田空港に赤沢亮正経済再生相の姿があった。米政府との2度目の閣僚級交渉に向かうためだ。意気込みを問う報道陣に赤沢氏は言った。「ある自動車メーカーは1時間に100万ドルずつ損をしている状況だ。国益は譲れないが、ゆっくり急ぐ」

 石破茂首相が、トヨタ自動車の豊田章男会長と都内のホテルで会ったのは、その翌日のことだった。

「米メーカー車、日本のトヨタ販売店で扱ってもいい」

 政府関係者によると、豊田氏…

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