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三重県庁

 津市の私立高田高校で昨年、運動部の女子生徒が顧問の男性教諭から「顔がいらつく」などと言われる不適切指導を受けたことがわかった。また、学校は、この生徒が別の生徒から受けた言動について、いじめ防止対策推進法に基づくいじめの「重大事態」と認定した上で、三重県私学課に報告した。被害生徒は不登校となり、その後、自主退学したという。

 同校が11日、取材に明らかにした。学校は弁護士を含む調査チームを立ち上げ、いじめの被害生徒や保護者から聴き取りを進めていたという。

 同校によると、教諭は昨年6~11月、被害生徒に複数回にわたり「その顔がいらつく」などと発言し、別の女子生徒にも「ぶち殺すぞ」などと発言した。調査チームはこれらを不適切指導と認定した。

 被害生徒は昨年11月には、練習態度が悪いとして別の女子生徒から壁に押しつけられるなどした。別の日は教諭が被害生徒に「教えても無駄だな」といった趣旨の発言をし、加害生徒からは「こんなやつに教えても仕方ないですよ」などと言われた。調査チームはこれらを「いじめの重大事態」と認定し、昨年12月に報告書をまとめて県私学課に提出した。

 被害生徒は不登校になり、今年2月に高田高校を自主退学。4月に別の高校へ入学したという。

 学校側は教諭を3カ月間、部活指導から外し、この間に研修や管理職との面談などをし「自身の問題点と向き合ってもらった」という。この4月から指導復帰させた。

 高田高校の堀元宣(もとのり)教頭は「不適切な指導により、被害生徒に多大な苦痛を与えてしまい、おわびしたい」と話した。

 県私学課は「個別の事案についてはお話しできない」と説明した。

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